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2009年11月12日

銀月アパート-その壱

35年くらい前に 佐々と二人で 銀月アパートに住んでいた。

当時、皆は 銀月アパートと呼んでいたので

銀月アパートメントより この呼び名の方が馴染みがある。

銀月アパート-その壱





このアパート 映画 クローズド・ノート で話題になりましたが

僕にとっても クローズド・ノート

閉じられた過去の1ページ

My Back Pages ということで

僕なりの思い出を綴ります。

銀月アパート その壱です
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最初にこのアパートを知ったのは 岡崎に下宿している頃。

友達の イッペイ君 が 銀月アパートに住んでいた。

同人誌 ディスタンスの 仲間で 時々、彼の部屋に遊びにいった。

銀月アパート 北棟の一階 一番西側の角の部屋 でした。

彼は美大を出て絵を描いて それとなく自由に暮らしていたので

質素でアートな雰囲気の部屋でした。

自作の歌を生ギター弾き語りで聞かせてくれました。

彼の部屋でよく憶えているのは パーフェクションのストーブ

電気を消して天井に映るストーブの模様がファンタジックでした。

僕も福井に帰ってからパーフェクションのストーブを買い

今でも愛用しています。

イッペイ君 はそのうち引っ越していきましたが

僕と佐々は 1974〜5年頃に 岡崎の下宿から 銀月アパート に移ります。

北棟の二階の階段上がってすぐ左の部屋 15号室でした。

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その 銀月アパート 映画の クローズド・ノート で話題になったので

DVD 借りて見ました。

銀月アパート-その壱




映画そのものはたいして面白くもなかったですが

ストーリーや配役は 無視して

背景の 京都の 町並みばかり 見てました。

あの 万年筆屋さん 寺町二条上がるの あるお店ですが

随分以前に 気になって撮った写真が出てきたのは これ


銀月アパート-その壱




昔は何かのお店だったみたいですが いつも白いカーテンが掛かっていた。

京都にいる頃は よく行っていた 三月書房 という本屋さん

その丁度 斜め向かいにある お店でした。

この 三月書房 は思想、哲学系の 知る人ぞ知る こだわりの書店です。

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この映画で 銀月アパートが出てきます。

映画での 南棟の階段 と リュウ の部屋ですが

この リュウ の部屋は 廊下と扉だけで

銀月アパート-その壱



中の部屋は スタジオのセットでの撮影のようです。

銀月アパートの部屋は あんなに広くはなく もっとシンプルなものだった。

そして廊下の突き当たりの部屋は たしか6号室

これは映画では目隠ししてありました。

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映画は映画なので 映画の話はそれくらいにして

この 銀月アパートに越して 沢山の友に出逢いました。

その目隠しの6号室の くんちゃん 彼女 イギリス製の自転車に乗っていて

僕のバイト先の近くで 当時、古着屋 という屋号で 古着屋 をやってました。

佐々は彼女から随分いろんなことを 学んだようです。

非常にエキゾチックな魅力の女性で 部屋には 一面 漆色の籐むしろが敷いてあり

数冊の本が床に置いてあるくらいで 生活臭のない きわめてシンプルな部屋でした。

その後 風の噂では スペインのフラメンコギター奏者に恋をして姿を消したようです。

も一度 ふっと どこかで 逢いたい人です。

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南棟いちばん西の部屋には 前のブログ REI  の親友 青森出身のコウジがいて

その南隣の部屋には ケイとケン という若い同棲の二人がいた。

北棟の一番東の部屋には老夫婦がいて いろいろお世話になり

一緒にお茶を飲んだり、おしゃべりしたり のどかで楽しい日々を過ごしていました。

大家さんは 以前、進駐軍の通訳をしていたようですが

今は息子さんのいるカナダで暮らしていると聞きましたが

当時は、南の庭で ミツバチを飼い、網を被って蜂蜜をとったり

夏には 屋根のコールタールを塗ったり、

焚き物でお風呂を湧かしたりと 微笑ましい生活をされてました。

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その 銀月アパートも メンテナンスをする人がいなくなったせいか

それとも 住民のコミュニケーションや みんなが お掃除をしなくなったせいか

ここ数年京都に行く度に訪れる 銀月アパートですが

老朽化はまぬがれませんが それより 質素でも生活のすがすがしい匂いのする

雰囲気が全く感じられず、いつも淋しい思いをして帰ってきます。

どんなに時代が変わろうと 一番大切なことは 変わってほしくないのですが。

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このアパート 共同の炊事場、共同のトイレ(水洗ではありません)

お風呂は近くの銭湯 でしたが なぜか 都市ガスは引いてありました。

次の写真は その15号室の内側から撮った写真ですが

一口ガスコンロと フランス製セブの圧力釜、ロッジ社の鋳物のフライパン/スキレットに

小さな白い冷蔵庫 だけの生活でした。

銀月アパート-その壱



貧しいからこそ、友達も多く皆で生活を分かち合い、助け合う生活でした。

ネイティブ・アメリカンの言葉ですが

奪い合えば 足りなります 分かち合えば 余ってきます。

これは物質的なことだけではなく 精神的なことにも言える言葉だと思います。

苦しいことは人に打ち明けなさい。そうすれは 心は軽くなります。

楽しいことは 人に伝えなさい。 分かち合うことで喜びはさらに大きくなります。


これも ネイティブ・アメリカンの言葉です。

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さて このブログも長くなりそうです。

銀月アパート シリーズは さらに続きます。

重ねた歳だって 分かち合いたい ハマジイ でした。


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Posted by hamabeat at 20:24│Comments(5)銀月の彼方
この記事へのコメント
こんにちは、とつぜんすみません。
銀月アパートで検索していてたどりつきました。

今私は銀月の一室をシェアで借りています。
シェアと言っても時間のシェアなので時々行って
一人で過ごすことが多いです。

まだ新参者ですので他の住人の方は知らない方が多いですが、今でも皆さんシンプルで素敵な暮らし方をされているようです。(音楽や芸術に携っている方が多いような)
この間はたまたま行ったときに南西角の出窓のお部屋で10人ちょっとでお花見の宴会をしていました。枝垂れ桜は今満開です。

外はボロボロですが、それぞれのお部屋は思い思いに手作業で改装され、私の借りているお部屋もとてもシンプルで素敵です。

当時のことを全く知らない人間ですが、
写真や文章から銀月アパートへの並々ならぬ思いを感じ、淋しい思いをされているということで、現状をほんの少しお伝えできればと書き込みさせていただきました。

これからもまた話題に上るのを楽しみにし、
ブログを拝見したいと、思います。

それでは。しつれいいたしました。
Posted by フジコ at 2010年04月08日 12:52
銀月アパートメントに部屋を借りている者です。
以前【3~4年前】までは管理人さんが一室に住まい建物のメンテナンスや周りの掃除をされておりましたが、現在はルームマーケットと言う不動産管理会社が入ってしまい管理人不在です。
しかも、掃除は勿論電気の球切れや雨漏り、壁の崩落や梁の折れが発見されても修理して貰えません。
アパートの住民が自費で直さないといけないのか?と言う状況なのです。
主様は如何思われるでしょうか。
Posted by ひさし at 2010年08月31日 18:23
ひさしさん コメントありがとうございます。レスが遅くなってしまいました。昔住んでいた懐かしさでブログを書いていますが、現在のお住まいの方にはそれなりのご苦労もあるかと思います。実際時々京都へ行く度に訪れる銀月アパートですが、老朽化ははっきり感じますし、手を入れるには大規模な改築,増強が必要かなと思われます。そこまでするかどうかは疑問で、ゆくゆくは取り壊しになるかもしれません。残念ですが。
さて現在の修理費用と管理の問題ですが、まず、住民の方々で自治組織を作る必要があるのではないでしょうか?そこでいろいろな問題点や提案や意見を整理して、管理人を作るか、不動産管理会社と交渉するかしかないと思います。個人の部屋はともかく、共有の空間や設備は管理会社の責任になると思いますが。
一階の元管理人室にシサム工房さんが入っておられたと思います。いろいろな運動もされてる方々と思われますのでご相談なさったらいかがでしょうか。それに このブログにコメントくださったフジコさんとも相談されたらいかがですか? ぼくには これくらいのアドバイスしかできないので ごめんなさい。 良い方向に進むことを祈ります。
Posted by hama Ghama G at 2010年09月13日 15:56
ネイティブアメリカンの言葉
心に響きました。人生において
大事な事がシンプルな2つの言葉に
込められてると思いました。
大切なメッセージ分けてくださり
ありがとうございます。
Posted by カタカナの子 at 2010年12月03日 11:40
カタカナの子さん 暖かいコメントをありがとうございます。ネイティブアメリカンの言葉は私たちが忘れてしまった大切なことを わかりやすい言葉で教えてくれます。自分が出会って感動した言葉も自分一人でしまい込まず、みんなでシェアーすれば喜びも広がりますよね。
Posted by hama G at 2010年12月03日 13:07
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