2013年09月11日
内部の内部は外部である
福岡伸一ハカセ(以下 ハカセと書きます)の著書に
<生物と無生物のあいだ>という本があり
そのなかに <内部の内部は外部である> という章がある
なにか哲学的な香りに魅せられ 読んでみる
まこと 生物学的内容なのですが おもしろいので簡単に説明します。
……………………………………………………………
ある細胞の中でタンパク質が作られています
そのタンパク質はある他の器官のために必要なものですが
その器官に届ける為には 細胞の外 つまり外部を通らなければなりません
しかしタンパク質を細胞の膜を開いて外部に出すには危険があります
外敵が侵入するおそれがあるからです
そこで どういう仕組みが作られたかということになりますが
まず 図を見て下さい
わかり易いように ブルーは外部 イエローは内部と色分けしました
細胞は膜で覆われています
左側から右側に進行していきます
細胞に窪みが作られます
窪みと細胞膜は閉じられて 細胞膜の内膜に接した小さな球をつくります
細胞膜は閉じられたまま 切り離された小さな球は 細胞膜の内部を移動し
安全な内部でタンパク質を取り込みます
この小さな球の内部は ブルーで外部になります
細胞の内部のそのまた内部は外部であるということになります
タンパク質を受け取った球は こんどは逆の方法で
細胞の内側の膜にくっつき 接点を開き外部に放出します。
こういう優れた仕組みをどうやって作られたのかわかりませんが
小さな細胞一つをとっても 知性があるように思えます
……………………………………………………………
内部の内部は外部である その2
まず 簡単な図を見て下さい。1から6へ コの字に進みます。
1:生命が外部から栄養をいただき 不要なものを外部に吐き出す
細胞膜はフィルターでもあり外部との境界面です
2:窪みができ さらにそれが一本の穴になります。
3:ハカセが言うところの チクワ 状態 になります
4:外部はその穴を通り 栄養は内壁から吸収されるようになります。
外側の膜は固くなり外敵からの防護膜になります
5:ポンピングしたり くねったりすることで運動できるようになります
前後,上下、左右、入り口,出口という方向性が産まれます
6:目や触覚ができ 意図した動きを可能にします。
尾ひれや背びれができ 運動の多様性が可能になります。
それとともに 脳が発達し 脳内に地図ができていきます。
あとは どんどん複雑になり多岐にわたって進化していくことになります
……………………………………………………………
さて 私たちの体は 口から肛門まで一本の管が通っています。
体の内部にある内部としての管の中は外部です。
つまり 私たちの体の中を外部が通過していることになります。
外部にある 食べ物や飲み物は
口の中で唾液を混ぜられ噛み砕かれ食道を通り
胃で消化酵素を注がれ こなされて
腸で始めて 外部は内部に吸収され 血となり肉となります。
残りの不要なものや 体内からの老廃物 菌類の死骸などが
お尻から 外部に排出されます。
人間は普段は直立していますから上から下へ
エコな重力エネルギーを利用しての入出力になります。
……………………………………………………………
私たちは 自分達の外側の世界が 外部であると思っていましたが
実は 私たちの体の中心を外部が通り抜けているということ
その 外部によって 私たちの体が日々更新されているということ
日々の アップデート これがハカセのいう 動的平衡 でしょうね
逆に私たちの体の中を もはや 外部が通過できなくなった時
それが 私たち 個体=内部 の 死 ということになります。
その時初めて わたしの体そのものが外部と同化することになります。
……………………………………………………………
肺の中も 私の体の窪みであり 外部 になります。
空気を吸い込み肺の中に送り込まれ
フィルターを通して血液の中に酸素が取り込まれます。
……………………………………………………………
子宮もひとつの窪みであり外部といえます。
卵子と精子が結びつく場所も
受精卵が細胞分裂して胎児となる場所も
母体によって保護された外部といえるかもしれない
母体とパイプによってつながった胎児は
出産のとき 初めて 本当の外部に出るのではないか
そしてその時初めて 自分の中にある一本の外部が
機能し始めるのではないかな
……………………………………………………………
僕は 医者でも生物学者でもありません
ですから ここに書いたことは 推測かもしれません
ただ 外部 と 内部 の意味と仕組みについて思ったことを述べたに過ぎません。
このことで 僕が一番驚いたことは
生命の内部を外部が貫いていること
そして 外部によって私たちの体が作り続けられているということ
そう見ていくと 外部も内部もなく
私たちは 外部である ともいえる
なんか SF的な 結論になってきました
では
<生物と無生物のあいだ>という本があり
そのなかに <内部の内部は外部である> という章がある
なにか哲学的な香りに魅せられ 読んでみる
まこと 生物学的内容なのですが おもしろいので簡単に説明します。
……………………………………………………………
ある細胞の中でタンパク質が作られています
そのタンパク質はある他の器官のために必要なものですが
その器官に届ける為には 細胞の外 つまり外部を通らなければなりません
しかしタンパク質を細胞の膜を開いて外部に出すには危険があります
外敵が侵入するおそれがあるからです
そこで どういう仕組みが作られたかということになりますが
まず 図を見て下さい
わかり易いように ブルーは外部 イエローは内部と色分けしました
細胞は膜で覆われています
左側から右側に進行していきます
細胞に窪みが作られます
窪みと細胞膜は閉じられて 細胞膜の内膜に接した小さな球をつくります
細胞膜は閉じられたまま 切り離された小さな球は 細胞膜の内部を移動し
安全な内部でタンパク質を取り込みます
この小さな球の内部は ブルーで外部になります
細胞の内部のそのまた内部は外部であるということになります
タンパク質を受け取った球は こんどは逆の方法で
細胞の内側の膜にくっつき 接点を開き外部に放出します。
こういう優れた仕組みをどうやって作られたのかわかりませんが
小さな細胞一つをとっても 知性があるように思えます
……………………………………………………………
内部の内部は外部である その2
まず 簡単な図を見て下さい。1から6へ コの字に進みます。
1:生命が外部から栄養をいただき 不要なものを外部に吐き出す
細胞膜はフィルターでもあり外部との境界面です
2:窪みができ さらにそれが一本の穴になります。
3:ハカセが言うところの チクワ 状態 になります
4:外部はその穴を通り 栄養は内壁から吸収されるようになります。
外側の膜は固くなり外敵からの防護膜になります
5:ポンピングしたり くねったりすることで運動できるようになります
前後,上下、左右、入り口,出口という方向性が産まれます
6:目や触覚ができ 意図した動きを可能にします。
尾ひれや背びれができ 運動の多様性が可能になります。
それとともに 脳が発達し 脳内に地図ができていきます。
あとは どんどん複雑になり多岐にわたって進化していくことになります
……………………………………………………………
さて 私たちの体は 口から肛門まで一本の管が通っています。
体の内部にある内部としての管の中は外部です。
つまり 私たちの体の中を外部が通過していることになります。
外部にある 食べ物や飲み物は
口の中で唾液を混ぜられ噛み砕かれ食道を通り
胃で消化酵素を注がれ こなされて
腸で始めて 外部は内部に吸収され 血となり肉となります。
残りの不要なものや 体内からの老廃物 菌類の死骸などが
お尻から 外部に排出されます。
人間は普段は直立していますから上から下へ
エコな重力エネルギーを利用しての入出力になります。
……………………………………………………………
私たちは 自分達の外側の世界が 外部であると思っていましたが
実は 私たちの体の中心を外部が通り抜けているということ
その 外部によって 私たちの体が日々更新されているということ
日々の アップデート これがハカセのいう 動的平衡 でしょうね
逆に私たちの体の中を もはや 外部が通過できなくなった時
それが 私たち 個体=内部 の 死 ということになります。
その時初めて わたしの体そのものが外部と同化することになります。
……………………………………………………………
肺の中も 私の体の窪みであり 外部 になります。
空気を吸い込み肺の中に送り込まれ
フィルターを通して血液の中に酸素が取り込まれます。
……………………………………………………………
子宮もひとつの窪みであり外部といえます。
卵子と精子が結びつく場所も
受精卵が細胞分裂して胎児となる場所も
母体によって保護された外部といえるかもしれない
母体とパイプによってつながった胎児は
出産のとき 初めて 本当の外部に出るのではないか
そしてその時初めて 自分の中にある一本の外部が
機能し始めるのではないかな
……………………………………………………………
僕は 医者でも生物学者でもありません
ですから ここに書いたことは 推測かもしれません
ただ 外部 と 内部 の意味と仕組みについて思ったことを述べたに過ぎません。
このことで 僕が一番驚いたことは
生命の内部を外部が貫いていること
そして 外部によって私たちの体が作り続けられているということ
そう見ていくと 外部も内部もなく
私たちは 外部である ともいえる
なんか SF的な 結論になってきました
では
Posted by hamabeat at 19:58│Comments(0)
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