2010年04月14日
廃墟 Desolation Row
Bob Dylan の Highway 61 Revisited というアルバムに
Desolation Row (廃墟の街) という曲がある。
<シンデレラは いかにも気楽に 笑いながら
「あることを把握するには そのことを識る必要があるのよ」 と言う。
そして
「此処じゃないんだよねぇ それって 自分で見つけるもんだよね」 >
以上 勝手に自分で訳したもので 意訳(異訳?) なのですが。
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この前 テレビで 廃墟、軍艦島 特集を やってました。
廃墟 というのが 好きなもので つい最後までみてしまった。
若い人の 訪問者が多いのに ビックリ
軍艦島の当時の生活者や 年配のノスタルジーを感じて訪れる人が多いのかな
と思っていましたが ああ そうか そうかも という ヒントがありました。
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僕たちが育った頃は 未知で 知られざる 世界が多かった。
だから 恐怖心や好奇心や冒険心が旺盛な時代でした。
教科書じゃ、地球は丸い なんて言ってても
俺たちフラットな大地を歩いてる
地球が宇宙に浮いて自転して軌道を描いて移動している?
回転なんてしてたら 振り落とされる ゾ
この地球じゃ 飛んでる物も浮いてる物も いずれ落っこちる
なんで 浮いたまま動いてるのさ
自分の眼で見ないうちは 信じない。
でも 今じゃ 地球を衛星から 高解像度に見れる
確かに地球は 宙に浮いてるし 確かに丸い
ということが 実映像で見れるようになった。
そうなると フシギ が無くなり 当たり前の事実になる。
でも 何かを介して見ているだけで 自分の眼で見ている訳ではない。
教科書に書いてあることと同じで 自分で体得したわけでもない。
新聞だってテレビ報道だって同じで
報道というより事実の報告に近い。
報道というからには 道というものがある
報告には 道といううもう一つ上のレベルがない。
淋しいこった
だから 新聞もテレビも ぼくは 鵜呑みにはしない。
本当かよ それって という見方でみている。
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さて、お月さんには ウサギさんが餅つきしてるでしょ
なんて ファンタジーが 全く無くなった
アマゾンの奥地には 人食い人種がいて とか
黄金の秘宝が眠っていてとかの
得体の知れない 怖さとか 夢 とか 希望とかが 無くなった。
謎 で 不可解 で 知られざる世界
夢 ロマン 冒険 そういった 少年少女を かきたてる 謎が 無くなった。
だから コンピューターゲームの空間で謎やファンタジーを追い求める。
でも それは 攻略本を読めば 解ける世界で
永遠の謎ではない。
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ビスコンティの映画 <ルードヴィヒ> の最後に
<全ては謎のままで終わりたい。自分自身でさえ謎のままに…..>
というセリフがありました。
自分を いかに 謎 にするか
そこが ポイント
相手に 読まれたら ダメ
読めない オトコ に ならなきゃネ
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話を戻します
その 軍艦島とか 日本各地の廃墟を訪れる若者たち は その 謎や未知に憧れているのではないかナ
僕たちが 小さい頃は 謎や未知だらけで もっと身近にありました。
こちら 今でもありますが 笏谷(しゃくだに)石の産地で
石の採掘のトンネルが 沢山ありました。
今でも 大きな縦穴が残っています。
錆びた鉄の梯子が ずーっとしたの暗闇まで続いています。
近寄ってはいけない場所ですが そういう処ほど 少年にとって魅力がある。
何人かで探検するぞ と計画を練って
ローソク、マッチ、懐中電灯、ロープ、ナイフ、チョークと用意して さて 探検ゴッコですが
いまでも 憶えていること
真っ暗のトンネルを皆が 恐る恐る ハグレナイように 歩いて行きますが
元の入り口に戻れるように 右側の壁にチョークで印を付けながら進みます。
穴は 単純に一本だけの通路ではなく 進む度に 枝分かれしていますが
ともかく 途切れて 分かれていても 右側の壁にチョークしていけば戻れる
と信じ込んて進んで行きましたが
進んでいると思っていたはずが 随分進んでから
気が付きました。
進んでいると思っているはずの 右側の壁に チョークの跡があります。
ああ 自分たちは 進んでいたと思っていたけど
同じところをグルグル廻っていたんだと気が付いた時に
誰ともなく 顔を見合わせ 恐怖におののきました。
そうなると パニックに襲われますが なんとか冷静に行動し 入り口に辿り着きました。
あちこちに そういう 危険で禁断の洞穴があり
冒険 探検 という 魅力的な言葉のもと 危険な遊びをやってました。
そういう場所は 今じゃ埋められ、柵ができ、立ち入り禁止になっています
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今の子供たちには
眼をカッと全開に見開いても全く何も見えない 漆黒の闇も
その漆黒の闇に身を置き 神秘的で美しい星空を見ることもできない。
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さて 廃墟
廃墟は 役目を終え、打ち捨てられ 意味をなくし 繋がりを持たない
意味と繋がりと位置と理由を強要され 行き場のない若者たちにとって
廃墟 とは むしろ 共感できる不思議な Zone なのかもしれない。
廃墟 というより ラビリンス (迷宮) かな
僕には 廃墟 のほうが 似合うが。
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銀月アパートも 自分にとっては そういうニュアンスがある。
亀岡の K と よく行った 三国の海岸
浜辺に打ち上げられた 漂流物
こいつらも 役目を終え、打ち捨てられ 意味をなくし 繋がりを持たない もの
それらを拾い集めて 部屋に並べておく
ある意味 タイポグラフィー や コラージュに 近い
関連されてはいない物たちの配置によって
別の 世界が産み出されていく という意味で
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パコン パコン と 型押しで作られた物で育った世代
プラスティック世代といっても良いかもしれないが
何故か 旧いものに 郷愁を感じているような気がする。
骨董だとか アンティーク とは違った
身近な 生活雑貨的な 物たち
歴史や物語を感じさせる 物たち
そういうものたちに 囲まれていたい
そんな 感性の人たちが 増えてきている 気がする。
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イカリさんは こう言いました
< さっきから ハイキョ、ハイキョ ってさかんに言ってるけど
その ハイキョ って あなたのことじゃ ないの ? >
ん ーーーーーー ん
役目を終え
打ち捨てられ
意味をなくし
繋がりを持たない もの
か
< 価値あるものなら 文化遺産、世界遺産 になるけど
価値がなけりゃ ただの ゴミだわ >
返す言葉のない ハマ G でした。
このブログも やはり
カ フ カ 的 廃墟 の 世界
ブラッドベリ の 短編集のタイトル
ウ は 宇宙船 の ウ
ス は スペース の ス
じゃないけど
ハマ G の G は Gomi の G
と いうことで では
オ ヤ ス ミ カ フ カ
Posted by hamabeat at 21:49│Comments(0)
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