ピンホールから覗いた多層の世界

hamabeat

2014年10月07日 20:29

僕たち シルクスクリーンの仕事のなかでは

ピンホールという言葉は日常的に使われている

ピンホールは版にはあってはいけないもので

製版後は版の検品と同時にピンホールを埋める作業になります

ですから ピンホール とはゴミと同じ意味を持ちます

世界が変われば ピンホールを活用して写真を撮る方法があります

この世界で ピンホールは 世界を映し出す貴重な針穴となります

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デジタル化が進めば進む程 アナログ指向も強くなります

昨今 CD離れが加速しています

逆に レコード熱が高まり

カセットテープでさえ 人気になりつつあります

カセットテープには 亀岡のヨゼフK の沢山の会話が録音してあって

すべて デジタルデータ化したので 破棄しましたが

確かに テープのリールがゆっくり回転している様は趣があります

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デジタルカメラでの画像はきれいすぎるほどきれいでシャープです

あまりにも綺麗に映り過ぎていて

こちらの想像力の入り込む余地がない

むしろ 見えそうで見えないほうが よい

過去のフィルムカメラの整理をしていると

デジタルでは撮れそうもないいい写真があります

光の陰影が違うし 空気感がある

特に 失敗した写真に多い

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なら ピンホールカメラでやってみるか と

デジタルカメラでピンホール

ボディキャップに針穴あけて やってみたが

なかなかこれが難しい 奥が深い

でも おもしろい

これと


これ 胴長




画像は最後に

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この広い世界には いろんな人がいる

あまり 知られていないが 興味のある二人の写真家

まず Brad Buckman という人の写真を見て下さい

セルフポートレート












どういう手法で撮っているのかはわからない

多重露光で撮っているのかな

コンピューターで画像処理しているとも思えない

この線条のブレがとても好きです

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次に Michael Wesely という人

セルフポートレート











先の人と良く似ていますが

この人は ピンホールカメラで撮っているようです

ただ 最長で3年間 シャッターをあけたまま というから

ただものではない し カメラからフィルム感度から

想像の延長線上にあるようなものではない

3年後に現像して像を浮かび上がらせる緊張感ってどんなものだろう

ただ 3年後に現像して 露光オーバーで真っ白なんてのもシャレにならない

3年後を計算してのセッティングだろうから そこの緻密さに驚かされる

ここでは動いているものは映らない

でも長いスパンで微妙に動いているものは少しズレて映っている

時間の篩にかけられて残ったものだけが印画されている

空間や光のズレみたいなものまでが映っていそうです

3年の時間が一枚の写真の中に定着している

この一枚の写真から読み取れるものは何だろう

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動画の場合 一秒間に30コマで撮影されていたとすると

30枚の静止画のパラパラ漫画で映像が構成されています

たとえば一日一枚 固定カメラから 三年間静止画を撮るとすれば

三年間で1095枚の静止画が集まります

それをパラパラ漫画で再生すれば 一日ピッチでの動画ができます

これは 日めくり動画 ということになります

Michael Wesely の写真の場合

三年間に一枚の静止画です

ピンホールの穴は開いてから 三年後に一度閉じられます

小さなミクロの穴から降り注いだ光は

一枚のフィルムの上に重なっていきます

時間の薄い膜の層が積み重なって反応しあっているようで

そう考えると 何か 生き物のようにも思えます

アナログの極地 と言えます

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以下 自分が撮った写真です









試行錯誤の繰り返しになりますが

楽しみ でもあります

遊びをせんとや 生まれけり

失敗の中にこそ 教訓あり でしょ

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