ベン・シャーン と 福島 そして クレーとリルケ

hamabeat

2012年02月16日 15:23

芸術新潮の特集が ベン・シャーン

思いだした。 好きだった画家

40年も前の あのころの空気


以前のブログで書いた ワタル

彼が 好きだった

ベン・シャーン パウル・クレー リルケ

ワタルの影響で ぼくも 好きになった

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ベン・シャーンの絵で 最初に見たのは

パリ解放の 子供達のブランコの絵 だったかな

彼は クレーとも共通点があると思う










クレーは 幻想的で 詩的で 構成的で 哲学的だ

物語的で 絵本的だ

内的な眼の画家といってもいい。

去年 東京国立近代美術館で 展示会があったみたい。

Paui Klee Times で アーサー・ビナードさんが 解説しています。

アーサー・ビナードにもクレーにも興味のある方はご覧下さい。






リルケの詩は 孤独で哲学的で幻想的です

この人の眼差しも鋭く 限りなく深い

ワタルの京都の錦林車庫のてっぺんのバラック風の

小さな部屋には リルケの写真が孤独に貼ってあった










ベン・シャーンは

リルケの<マルテの手記>をテーマにした

リトグラフの挿絵を晩年に作っている







アメリカの画家ということになっているが

リトアニア産まれで 決してアメリカ的な作風ではなく

東欧の頑固な雰囲気を持った 不思議な画家だ

画家というより グラフィックな作風で

本の挿絵や ポスター LPジャケットのデザイン が似合っていて

手描きのロゴも独特で タイポグラフィーとして見ても

非常に 面白いし 孤独な視点を持っている。

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芸術新潮の特集で 展示会があることを知った。

池澤夏樹氏の パウル・クレー小論も掲載されててうれしい

3月に名古屋の美術館に見に行く予定

かれは 1969年に亡くなっていて 明くる年

1970年に日本で展示会が行われている。

それから  42年 か


そして 震災に合った 福島とも 縁がある。

なぜか 福島美術館が 彼の作品を沢山所蔵している。

それに ベン・シャーンは ビキニ環礁で被爆した

第五福竜丸の絵を書いていて

アーサー・ビナードの詩と構成による絵本として出版されている。






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子供や労働者をモチーフにした絵が多く

アナーキストのサッコとヴァンゼッティ や

労働組合の指導者 トム・ムーニー の

冤罪を告発するポスターや

ナチズムを糾弾するポスター

原爆実験を糾弾する絵のシリーズと

常に 社会に眼を向けていた人である。

子供の絵多いが 笑っている絵は まず 無い


第五福竜丸の被爆 福島の原発事故 

福島美術館 と 何故か リンクしている

今回の 福島美術館からの展示会に合わせ

アメリカのいくつかの美術館に

ベン・シャーンの作品の展示を要請したそうだが

全ての美術館は 放射能汚染を 理由に 断ったそうな

ベン・シャーンが生きていたら 多分激怒したに違いない。


ネイティブ.アメリカンを ことごとく殺戮し

日本に2発の原爆を落とし 市民を殺し 都市を崩壊させ

南太平洋で 数えきれない程の原水爆実験をし

島民や島や海を汚染し 自国の実験場周辺を 汚染し

ウランを掘り出し 原発を建設し 輸出してきた

アメリカ 

そして アメリカの 植民地のような 日本


眼を醒ませ もう 真昼だ  -ランボオ-

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さて ベン・シャーンの父はロシアの木工職人で

反帝国主義的革命運動でシベリアに追放され

後に 脱走し ばらばらになった 家族とともに

アメリカで生活を始める。

父の木工職人の技術の影響、石版画職人としての仕事からか

彼のイラストの線画は 刻んで 彫ったような 荒々しいタッチだ。









photo ウオーカー・エバンス 1932-33

ベン・シャーンの絵と アーサー・ビナードの詩による

2006年に出された <ここが家だ> という 絵本

タイトルからも 福島のことを思わずにはいれない。

そのなかの 文章より


<久保山さん(第五福竜丸の船員で被爆により死亡)

のことを 忘れない>と

ひとびとは いった。

けれど わすれるのを じっと

まっている ひとたちもいる。


どうして わすれられようか。

畑は おぼえている。

波も うちよせて

おぼえている。


ひとびとも

わすれやしない。







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われわれ 日本人は 決して忘れてはならない

広島長崎の原爆のことを 沖縄のことを 原発のことを

なにも 破壊されたのは 町や家だけではない

死んでいったのは 人だけじゃない


多くの 動物や草や 木や自然が

破壊され 殺され 汚染され 消されていった

われわれ 人間が犯した 罪のせいで

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最後に ベン・シャーンの手のスケッチをまねて

自分でも描いてみたが





ベン・シャーンのデフォルメされたフォルムの魅力と

線の力強さや 迷いの無さには はるかに及ばない。

ただの 絵と 作家の作品 との違いだ

線一本にも ベン・シャーンの 個性が 染み込んでいる







さて 来月の 名古屋が 楽しみだ

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